看護師と患者さん、初対面の人同士が何かを始める時にまず礼儀なのが自己紹介ですよね。コミュニケーションは名前を名乗る時から始まっています。医療者側からは患者さんの名前は簡単に知ることができますが、患者さんからは医療従事者の名前は確認しにくいです。動きがある医療従事者の名札の文字を読むのは困難だからです。自分の名前を呼ぶ目の前の医療従事者がどういう立場の誰なのかを知らない状況で様々な質問を受けることが、患者さんの不安や誤解を生じることにつながりかねません。患者取り違えなどの医療ミスを防止する観点からも、まずお互いに自己紹介するようにしましょう。看護師がコミュニケーションを取る時は、患者さんとの距離や体の向きにも気を付けましょう。対人距離が近すぎると、患者さんはテリトリーを侵害されたと心理的不快感を抱くことがあります。逆に離れていると、患者さんは何かのついでに聞いていると感じたり、大声で話すことによりプライバシーが保たれなくなったりします。体の向きは最もリラックスできる斜め45度を意識しましょう。また、お互いを見ながら話す際には、ジェスチャーも有効です。視覚的に補足することで相手の理解を促進させる効果や、2人の会話の流れを調節する役割もあります。コミュニケーションを取る中で重要視したいのが「傾聴」です。相手の感情や思考に沿って相手の話しに耳を傾けることです。患者さんが気持ちや考えを表出できるように、気持ちや考えを整理できるように、辛さが軽減できるようにしましょう。患者さんは遠慮したり気後れしたりして、話したいことがあってもなかなか切り出せないことがあるので、待ってるばかりではなく、看護師側から声掛けをして話すきっかけ作りをすることが大切です。